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咬み合わせ

顎関節症とは

症状は、“口を大きく開けると「カコッ」という音がする”、“耳の辺りがなんとなく重い”、“口を大きく開けると関節が痛む”、“強く噛むと顎の関節が痛い”、“口が大きく開けられない”、“朝、口が開かない事がある”、“顎がはずれそうになる”、“関節がおかしく、口の開閉が思うように出来ない”、“左右の関節の動きがずれている ”…といった症状になります。 また、悪化すると頭痛・肩こり・耳鳴り・めまいなどの全身へ影響を及ぼすとも考えられています。

咬み合わせ

「右足を出して、次は左足を出して…」などと意識して歩く人はいません。誰もが無意識のうちにリズムよく足を動かしています。
口を動かすのも同じこと。食事をするときには、口の中の状況を瞬時に判断しながら、神経から指令が出るのです。
しかし、筋肉や関節は悪い意味でも順応性があります。たとえば、左右の足に高さの違う靴を履いても、気になりますが歩けます。でも、そのまま暫く続けていると、足や腰、身体全体に違和感が出てくるでしょう。口も同じなのです。
歯の位置が異常であったり、つくった修復物が合わなかったりしても、そこで噛むことはできます。ただ、長期的にその状態が続けば…。結果はおわかりですね。
歯の状態によっては、顎は位置を変えてしまい、歪みを生じます。その歪みは筋肉に伝わり、首や肩、耳などに影響を及ぼし、異常を引き起こします。
ということは、噛み合わせを治療することで、顎や身体の異常を解消する可能性が出てきます。一度、歯の状態を再確認してみましょう。

ニューロマスキュラー理論

ニューロマスキュラー理論は1972年にアメリカのバーナードジャンケルソン先生によって開発されました。 日本語に直訳すると、神経筋肉理論ということになります。
噛み合わせの位置(顎の位置)を神経や筋肉にとって、最も調和のとれた状態にする考え方です。

咬合器を使った噛み合わせの理論では、筋肉や姿勢のバランスなどをまったく考えていなかったので、神経や筋肉、骨格のバランスにとって必ずしも良い噛み合わせとは限らず、歯や筋肉に負担がかかり、肩こりや頭痛、耳鳴り、顎関節の痛みや引っ掛かり、歯の動揺など、様々な不定愁訴を引き起こしてしまう可能性がありました。
そこで、ニューロマスキュラー理論が開発されたのです。
筋肉の働きを調べる筋電計、顎の動きを三次元的にモニター上に映し出すような顎運動装置を備えたK-7というコンピュータ機器が登場し、人間の噛み合わせの仕組みをより深く理解することができるようになりました。それによって、その人が持つ噛み合わせが体に調和したものなのか、筋肉の働きが正常かどうか、顎の関節に問題を起こしていないのかが客観的にわかるようになったのです。

顎の関節にとっても、筋肉にとっても、歯並びにとっても良い噛み合わせを筋電図や顎運動検査により見つけ出し、それを顎関節症の治療とし応用していくことができます。
この理論は噛み合わせが原因で頭頸部(頭と頸椎周辺部)の痛みを持つ全世界の人に役に立つものと考えられています。

治療法
下顎運動測定器(K-7)

当院では、アメリカの咬合概念を取り入れた最新テクノロジーを搭載した咬合診断装置「K-7システム」を導入しております。咬合診断装置を使用することにより歯科医師の勘や経験ではなく客観的なデータをとることができ、科学的根拠に基づいた治療が行えます。
K-7システムによりレントゲンでは診ることができない重要な神経・筋肉・顎(あご)の運動、関節の運動、噛み合わせ、また、それらのズレを診ることが可能となりました。
筋肉の緊張状態を確認したのち、マイオモニターという機器を使用し、筋のリラクゼーションを計り、咀嚼筋をリラックスさせ安静な状態に戻し、噛み合わせの位置を再度確認します。

マウスピース治療

K-7システムにより、噛み合わせの不正による顎のズレが見つかったとしても、噛み合わせそのものを治すのは、簡単ではありません。 そこで、まず取り外し式のマウスピースによる治療法をお勧めします。
当院で使用しているマウスピースは透明のアクリルでできていて、下顎の歯に装着します。
このマウスピースの表面には、K-7システムで診断した正しい顎の位置で噛み合わせができるように、上の歯に合わせて、正しい歯の噛み合わせが作られています。
つまり、このマウスピースを入れて咬むと自然に正しい顎の位置で噛み合わせができるというものです。
ご自分でつけ外しが出来るので、食事の時や人と会って話をする場合など、差しさわりのある場合はいつでも簡単に取り外すことが可能です。